May 01, 2008

鯉のぼり

あちらこちらで鯉のぼりを見る季節ですが、鯉のぼりを見るたびに私は祖母を思い出します。私が子供の頃は、東京の都心でも10m以上もあるような丸太や竹竿の上に大きな鯉のぼりを立てる家が多かったのですが、祖母は私と従姉妹の二人の孫のために鯉のぼりを立ててやりたかった、と後年まで言っていました。場所の問題もありましたし、とび職の人に頼むのでしょうか、よく知りませんが、だれに依頼するのか、金銭的にいくらかかるのか、等々いろいろ面倒だったのでしょうか、事情は分かりませんが結局断念したのです。

東京では、竿の先に金色の金属製の矢車を付けて、その下に場合によって吹き流し、そして何匹かの鯉のぼりを泳がすのが普通だと思いますが、熊本に赴任したときに驚いたのは、熊本では家紋と子供たちの名前を書いた立派な幟を付けるのです。てっぺんにも小さな旗が付いていた思いますが、とにかく立派なものでした。地域によってさまざまです。

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April 28, 2008

ガラス細工

今年もハルゼミのシーズンになりました。早くも遅くもなく例年通りだと思います。写真は昨夜撮ったハルゼミのメス。ハルゼミに限りませんが翅が伸びたこの時が一番美しいときです(この写真はいま一つのできですが、御容赦ください)。今日は出勤途中にハルゼミの鳴き声も聞きました。マツ林から聞こえてくるダミ声は何とも暖かな春を思わせ、気怠く眠気を誘います。本州では梅雨入りまでのこの時期が一年で最もよい季節かもしれません。

寒い西条は、今でもまだ快晴の日の朝の最低気温は+3度ほど。こういう時は夜の9時過ぎになると10℃以下まで下がるのですが、一桁の気温では恐らく羽化は苦しいでしょう。羽化の観察に行くときには、気温の予報を調べてから行くようにしています。

これから6月中旬頃まで、広島のマツ林は賑やかになります。

Haruzemimesu_2

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April 23, 2008

ツツジ

寡聞にして、私は広島に来るまでツツジというものは花壇や道路沿いに整然と植えられているものだと思い込んでいました。勿論九州で言えば阿蘇や九重に行けばミヤマキリシマが咲くことはよく知っていましたが、それらは山に出かけないと見られない例外的なもので、ツツジといえば園芸として植栽されているものだと思っていたのです。

ですから広島に越してきた10月初めに、キャンパス周辺ではチッチゼミが盛んに鳴いていましたが、このセミが産卵するというツツジ類が一体どこにあるのか分かりませんでしたし、当初は道路沿いに植えられているツツジに飛来するのだろうかとさえ思ったのです。

しかしこの疑問は翌年の春、一斉にミツバツツジが咲き出したときに解決しました。まさに山という山、林という林、林間至るところでピンクの可憐な花が咲き、山々が薄化粧するさまは、ほとんど園芸種のツツジしか知らなかった私には驚きを通り越した感動を与えてくれたものです。花壇の園芸種も嫌いではありませんが、里山の自然の中で咲くツツジは見事なものです。

恐らくほとんどの方がイメージする、ピンクから赤い花の咲くツツジの他に、ツツジには下向きで乳白色のスズランのような壺状の花が房のようになって咲く仲間があります。ドウダンツツジが典型ですが、アセビ(馬酔木)、ネジキ(捩木)もこの仲間で、広島ではこのグループも多く、結局、春になりサクラが終わる頃になると、両方のグループのツツジの競演ということになります。

今年もミツバツツジが満開の季節を迎えました。(写真はコバノミツバツツジ)


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April 12, 2008

ブラームスはお好き?

よくは知らないのですが、現代の指揮者にとって、ブラームスの交響曲を避けて通ることは難しいだろうと思います。カルロス・クライバーのように気に入った曲だけを振る指揮者もいましたが、彼にしても国際的に有名になる前は、残されたCD録音として知られているような曲だけを振っていたわけではないのかもしれません。特に、第一交響曲はクラシック入門者にも人気の曲ですから、普通繰り返しコンサートプログラムに取り上げるのではないかと想像します。

久しぶりに国際マーラー協会のサイトを見てみたら、マーラーが指揮したすべてのコンサートのプログラムがリストになって掲載されていました。今とはコンサートのありようもずいぶん異ったでしょうから、単純に比較はできませんが、当時作曲家というよりも指揮者として著名だった彼のプログラムを見ていると飽きません。そこで気づいたのは、ブラームスを振った回数が少ないこと。このリストを信じる限り、第一交響曲を初めて振ったのは亡くなる半年前米国で。第二交響曲は生涯に1回しか取り上げていません。一番多く振ったのが第三交響曲ですが、それでも生涯に6回。第4交響曲は1回も振っていません。あまりブラームスを買っていなかったと言われるマーラーですが、こんなところにも表れているのかもしれません。

自作の交響曲を振った回数はさすがに多いのですが、第二交響曲、第四交響曲より第三交響曲を振った回数が多いのも意外です。モーツァルト好きだったそうですが、交響曲で振ったものは40番と41番だけということになっています。他に「シェラザード」を振ったなんていう記録もあって、見ているだけで飽きません。

なお、このマーラー協会のページには、彼が指揮したシーズンの宮廷歌劇場の全演目の記録もあります。合わせて彼がどんなオペラを振ったのかがわかります。

ところで、国際マーラー協会は現在事情があってオーストリア政府からのバックアップがないようで、財政的に厳しいとのことです。2010年と2011年は2年続きのanniversary(生誕150年、没後100年)ですし、マーラー全集の改訂や出版も続いています。マーラーの音楽に出会え大きな喜びを与えられた私は少しでも恩返しをと思い、数年前から会員になっています。会費は年に25ユーロです。もしも入会御希望の方はこちらをご覧下さい。

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April 03, 2008

新聞を読むこと

私は昔から新聞を読むのが好きで、このブログでも新聞報道からのネタがかなり多いのもそのためです。しかし、若い人を中心にして新聞を全く読まない人も多いようです。かつて研究室にいた学生も「ニュースはTVとネットで見れば十分」と言っていました。何か違和感を感じながら「読んだ方がいい」と言っていたのですが、今さらながらよく考えると、自分でも新聞記事で一番面白いと思っているのは、トップ記事ではなく、いわゆる三面記事というのでしょうか、雑多な出来事の記事や趣味性の強い紹介記事なのかもしれません。ここで取り上げた、エキストリームアイロンの記事、欧米人が皿洗いのときにすすがないという記事がその代表です。

一面に載るような大ニュース、そしてニュースの「裏側」というのも大事なことは勿論ですが、絶対にテレビのニュース番組で取り上げられないような記事を見つけることが、新聞を読む面白さの一つであるように思います。

また、新聞はインターネットのニュースで代用できないと思っています。それは新聞大の巨大ディスプレーができて、新聞をまるまる一つの画面に表示し、めくることができれば別ですが、たとえ新聞に掲載されているすべての記事がインターネットのページにも掲載されていたとしても、一つずつクリックして開けるという動作が必要なために、一瞥して見出しから記事内容を読み取ることできないからです。新聞を読まない人は、新聞を読むとは、隅から隅まで読むことだと勘違いしているのかもしれませんが、私はこの「一瞥法」で読み、気になった記事だけを拾うので、5〜10分、最大でも20分もあれば十分です。

新聞を読まなくても生きて行けますが、読むことを続ければきっと豊かで彩りのある生活を得られるし、それが将来何かの役に立つかも知れない。今度から学生にはこうアドバイスしようと思います。新聞はインターネットのニュースで代用できないと書きましたが、そのインターネットも、そしてTVのニュースも見ないというのはもうこれは論外です。

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April 01, 2008

シュモクゼミ

ニューギニアに取材に行かれている某写真家から貴重な写真が届きましたので御紹介します。なんと複眼がシュモクザメのように突き出しているセミです。このように複眼が離れている昆虫としてはショモクバエの仲間が有名ですが、セミでこのような種は全く知りませんでした。現地から、こんなセミに出会ったが御存知でしょうか?という問い合わせだったのですが、はじめセミだとは信じられませんでした。貴重な写真ですが許可を得て公開させていただきます。一体なぜこのように目が離れているのでしょうか。どうやらクサゼミの一種のようで、鳴き声は抑揚をつけながらビーン、ビーン・・・・と鳴くそうです。出現期が極めて限定的で、ほんの数日前から出始め、すでにピークになっているようです。


Shumokuzemi

先ほど某大学のセミ専門の先生にも画像を見ていただいたのですが、恐らく日本にいるイワサキクサゼミの属するMogannia属に近縁のShigatsu属の一種S. bakacicadaであろうということでした。

*尚、写真公開は2日のみ、という条件でしたので、2日後にこの記事は削除させていただきます。

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March 28, 2008

ヒグラシ飛来?

TVなどでは桜の話題で賑わっていますが、寒い西条/東広島市はようやくハクモクレンのつぼみがほころんだ段階で、桜の開花までは10日〜2週間かかるのでしょうか。最低気温が氷点下になることも中旬からめっきり減って(それでも例年四月半ばまで氷点下になる日があるので油断はできない)、27日に-1.7℃に下がったのが最後です。晴れて放射冷却が多い朝でも、かろうじて正値で踏みとどまっています。こんな西条でも空にはヒバリがピーチクパーチク、・・・その道中の陽気な事!そして注文していたヒグラシがやってきました(写真)。今年のシーズンはこのTシャツを着て蝉とりをしようと思います。

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ところでこの季節、冬とは違うぬくい空気の感触がとても心地よく、気温は10月か11月と似たようなものなのでしょうが、明らかに感覚は異ります。これから寒くなる方向と、暖かくなる方向の違いからなのか、体が感じる印象は別物です。卒業の季節で、卒業をテーマにした歌がラジオでも流れますが、別れといっても暗い感じがしません。そんな中、松任谷由実の「卒業写真」も定番ですが、私が好きなのは「最後の春休み」という歌。決してユーミン・ファンではないので、アルバムを一枚も買ったことがないのですが、自分でもなぜこんなマイナーな歌を知ったのか分かりません。暖かな昼下がりに聴いてみたくなる一曲です。

そういえば先日、熊本でお世話になった先生の定年退職のお祝いに伺った折に、2次会で参加者全員がカラオケで一曲ずつ歌うことになりました。私はカラオケに行く習慣がないので、他の参加者のように「持ち歌」がなく大慌て。スピーチぐらいはいきなり振られても何とかこなせるのですが、これには往生しました。よせばいいのに好きな曲(これがまた誰も知らないようなマイナーな曲だ)を選んでぶっつけ本番で歌ったのですが、好きで聴いていることは歌えることとは大違い。落ちまくってしまいました。帰宅後ヨメさんにどうしてもっと有名な曲を歌わなかったのか?と言われたのですが(私も今はそう思う)、当たり前すぎてありふれた曲を歌いたくなかったのです。「マドラスチェックの恋人」って御存知ですか?

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March 25, 2008

ミトコンドリアが進化を決めた

「ミトコンドリアが進化を決めた」(ニック・レーン 著, 斉藤 隆央 訳 みすず書房、 ISBN: 9784622073406 (4622073404) )を読みました。一般向けとはいえかなり専門的な本で、2月の初めから読み始めて今までかかってしまったのは、もともと読むのが遅い上におもに就寝前に読んでいて、眠くなる前に5ページとかからなかったせいです。これは退屈という意味ではなく、難しいということです。全体を通して平均五割程度の理解度ではないでしょうか。

地球上に生命が誕生して40億年といわれますが、細菌とは異って細胞内に核とミトコンドリアという機関を備えた真核生物が誕生したのは約20億年前。その後われわれを含む動植物−多細胞生物に繋がる進化はこの時点から爆発的に始まり、一方で細胞内にミトコンドリアを備えたことのないままの細菌は大きさなど基本的な姿は20億年前以前の姿のままなのは何故なのか。

外部から細胞膜を通してエネルギーを得る必要がある細菌類は、体積が2倍になると必要なエネルギーは倍になるのに、表面積は2倍にはならず2の2/3乗にしかならないことから、体積を増やそうとするとエネルギーが不足することになるのに対して、エネルギーを生み出す機関であるミトコンドリアを内包した真核生物はこの呪縛を解き放つことができたこと、またいかに速く分裂して仲間を増やすかが勝負の細菌は体を大きく、複雑にすることが不利になることなどが述べられています。

つまり原細菌といわれる生物が、当時の地球環境に応じて利害の一致した細菌であったミトコンドリアを細胞内に同居させた、たった一度の偶然が現在の地球上の生物への進化の転機になったということです。さらに性の問題(なぜ性が必要で、それも基本的に2つなのか)や老化の問題などにミトコンドリアが深くかかわっていることがごく最近の研究結果をもとに説得力をもって語られるのは、最先端の研究を紹介されているという満足感を与えてくれます。

全体を通して、この本では細胞内におけるミトコンドリアの働き、一言で言うと呼吸(内呼吸)の理解がベースになっています。「呼吸」を鼻から肺に到る、吸ったり吐いたりという横隔膜の運動を伴う、空気を取り込む動作のこと(外呼吸ともいう)だと思っていると、理解できないわけです(かつて高校の時に呼吸=外呼吸と思い込んでいた私はこれでしばらく悩んだことを思い出しました)。

さて、この呼吸時のエネルギーを産み出す過程(化学的反応)において、その過程に何らかの滞留が起こると、不安定で化合力の強いフリーラジカルと呼ばれる分子、原子(イオン化されていると考えてよいのだろう)が発生して、これがさまざまな働きをする(多くはダメージ。しかし細胞核にミトコンドリア内のトラブルを知らせる働きもするらしい)こと、そしてこれを防ぐために温血性も生まれ、性の分化、老化のキーになっていることが解説されます。

なお、著者ははっきりとは述べていませんが、地球外生物について、細菌のレベルの生命の存在は確実視しているものの、真核生物以上のいわゆる高等生物の存在には否定的に思えました。

ところで、この本の中で「温度が10℃上がるごとに、代謝率は2倍になる」という記述がありました。(低温で死なない範囲の)低い気温でセミが長生きするという報告がありますが、これで合点がいきます。また、トカゲに毛皮を着せる実験について、「体が温まるどころか、逆効果だった」と書いてあります。つまり、断熱効果は熱が逃げるのを防ぐだけではなく、入るのも防ぐためだということですが、我々は自分たちが温血性であるがゆえ、毛皮=暖かいという思い込みがあるのではないかと感じました。10月から11月に出現するチョウセンケナガニイニイが毛深いのは、日光浴をして一度体に熱を取り込むことを前提としているということなのでしょうか。

難しい本ですが、生物好きの私には非常に興味深い本でした。すべての人にとは言いませんが、強く御薦めします。

(3月26日追記)

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March 14, 2008

アイロンがけ

先日このブログ記事で、日本経済新聞の「文化」コラムがマニアックだということを書きましたが、昨日は、エキストリームアイロンというスポーツが紹介されていました。このイギリス発祥のスポーツ、たとえば登山して頂上でアイロン台を組み立てて、ワイシャツにアイロンがけするスポーツだそうです。どうやら、アイロンがけする場所にはいろいろバリエーションもあるようで、強烈な極限状態であればよいようです。また、ただアイロンがけのまね事をすればよいのではなく、アイロンは充電式のものを使うとか、あるいはちゃんと電源をもって行くこともあるようです。

一見馬鹿馬鹿しいことですが、その取り合わせがポイントなのでしょう。「登山して山頂で靴磨き」ではあまりインパクトは強くありません。

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March 06, 2008

泥棒

博多から鹿児島本線を南下していくと、沿線の電線などにカササギがとまっているのを見かけることがあります。以前熊本にいた頃は、柳川に行くたびにカササギを見ることができましたので、とても懐かしい感じがします。ああ、九州だなと思う瞬間です。世界的には分布が広いようですが、国内では非常に限定的な場所しか生息しないようで、ほぼ福岡〜佐賀しかいないと思ってもよいようです。

どんな姿かというと、以前東京で大繁殖していたオナガ(同じスズメ目カラス科)に似た鳥で、濃い瑠璃色(黒に近いが、やや青みを帯びた光沢がある)と白の二色で尾が長く突き出ています。大きさもオナガとほぼ同じでしょう。ちなみに、カササギというと反射的に「泥棒」を思い出すのですが、ロッシーニのオペラの筋を知らないので、なぜ泥棒なのかの理由はわかりません。

昨年12月、今年2月と熊本に出張したのですが、電車が鳥栖をすぎた頃、車窓からこの鳥を見つけることができました。今月もう一回熊本に行くのですが、今度はどうでしょうか。

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