Nov. 1, 2004(Nov. 2 補筆)
コスズメ、ベニスズメ、ヒメスズメ、モモスズメ・・・。これらで何を思い出されますか?御存知の方はすぐにピンと来るでしょうが、一般の方はこれらがすべてガ(蛾)の種名だと聞いたら驚かれるかもしれません。ガの仲間に「スズメガ」というグループがあり、この仲間のガの多くが「○○スズメ」という和名を持っているのです。ガと聞くと嫌な顔をされる方もおいででしょうが、このガは独特の戦闘機のような流線型の体形をしていて、花の蜜を吸う時に長いストローのような口吻を出しながらホバリングする「カッコいい」ガです。日中にハチドリを小型にしたような、翅が透き通った虫がホバリングしながら花に来たり、クチナシの木の周りを飛び回ったりするのをご覧になって、蜂?と思われたことのある方もおいででしょうが、あれもこのスズメガの仲間、オオスカシバです。この仲間の幼虫はケムシではなくいわゆるイモムシですが、みなお尻に一本アンテナのような尻尾がピンッ!と立っていてユーモラスです。
最近このスズメガについての素敵な本を衝動買いしました。「日本産スズメガ幼虫図譜」*)、サブタイトル「我が友いもむし」という、御年が私の母と同年配の松浦寛子さんの書かれた本です。著者の松浦さんは佐賀錦の作家の方で、この図譜には日本産76種のうちの53種の卵から成虫までの各ステージが、ご自身の筆によるすばらしい絵で載せてあり、種ごとにそのガについての出会い、思い出が書かれています。半世紀の歳月を費やして書かれたライフワーク的大作でしょう。図鑑ではなく図譜となっているのは、写真ではなく絵を使っていることによるのかも知れませんし、説明文が学術的な色彩よりもエピソード的色彩が強いからなのでしょうか。しかし絵がすばらしいですし、卵から各ステージの経過日数なども書かれていますので、十分に図鑑の役目も果たすと思います。
私がスズメガを飼育したのは、その昔オオスカシバを卵から飼育したことが1回あるだけですが、以前からそのカッコよさゆえに憧れを持っていた昆虫ですので、飛びついてしまった次第です。すべての方に、とは言いませんがお薦めの本です。私もいつの日か、「日本産セミ図譜」を出せたら素敵ですが、まず絵が描けない・・・。
*)風知社。詳細(購入も)は こちらから。

Comments
コメントありがとうございました。そういえば私も中学生の時、美術の時間中に教室にオオスカシバが開いた窓から飛び込んできて、ハチだハチだと大騒ぎになったことを思い出しました。先生(虫屋だった)が「ガだから大丈夫」と言ったのですが、今度は皆「えっ?」と驚いていました。
Posted by: Zikade(家主) | November 02, 2004 at 11:21 AM
先日、職場のある部屋で、皆が「スズメバチだ」、「いや、アシナガバチだ」と大騒ぎをしていたので、私は好奇心に駆られて部屋に入っていきました。天井の辺りを飛び回っていたのは、オオスカシバでした。私が捕まえて蜂ではないことを証明する間もなく、開いたドアから飛び去っていきました。
オオスカシバ自身は自分を蜂と見間違えさせることで身の安全を図ろうとしているのかどうかは知りませんが、まだ今とは違い、多くの子供達が夏になると昆虫採集に興じていた私の小学生時代、仲間の中には、蜂に姿の似たこの蛾を「オオツカバチ」と呼ぶ者もいました。
Posted by: Paczki | November 01, 2004 at 10:45 PM