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January 2006

January 29, 2006

PCM-D1レビュー(I)

SONYのリニアPCMレコーダー、PCM-D1を簡単にレビューしてみます合わせてこちらもご覧下さい:PCM-D1レビュー(II) , PCM-D50とPCM-D1の比較

大きさは今まで使ってきたDATレコーダーTCD-D100の1.5倍といったところ。内蔵のマイクの性能さえよければ、DATのように外付けのマイクを持ち歩かなくてもすむわけで、トータルでは軽くなるかもしれません。それだけにまず内蔵マイクのチェックをしてみました。

セミがいない季節ですし、なかなかフィールドで試すネタがなかったのが残念だったのですが、まず室内で大小10個近いカウベルやテーブルベルを96kHz24ビットのフルスペックで録音してみました。一聴してとても抜けが良く、澄み切った音で生々しく、さすがにダイナミックレンジが広く、申し分がない音です。マイクの前方1.5mで多くのベルをガランガランと盛大に鳴らしてみました(ここをクリック。3MB弱あります)。試しに今まで使用していたSONY ECM-MS957を使って同じように録音して比較してみたところ、こちらの方が感度が低いものの、低音はゆたかに入っていますが、全体に大人しい感じの音になります。ECM-MS957に比べると、PCM-D1の内蔵マイクで録音すると200〜300Hz以下のレベルが低目で、温風ヒーターから出るファンの音にはっきりと違いが出ます。300Hz以上は変わりません。屋外で生録する上では、風や自動車のエンジン音の影響を受けずに済むため有利かもしれませんが、逆に音楽録音では不利になるケースもあるでしょう。このことは録音したWAVファイルをパソコンに取り込み、周波数分析(FFT)しても確かめられました。高音の方は、内蔵マイクもECM-MS957でも45kHz以上まで延びていて、問題はありません。

次にデジタルリミッターの性能をみました。このリミッターは、1チャンネルに2つのADコンバータを搭載していて、ピークを越える音が入力すると20dB低い信号に切り替えるというものですが、この切替えに不自然な音の繋がりが発生しないのか気になったのです。そこで直径10cmほどのカウベルを打ち鳴らしながら内蔵マイクに近づけたり遠ざけたりして試しました。リミッターをOFFにするとメーターが振り切れるような音を入力するとバリバリという酷い歪みが発生しましたが、リミッターをONにするとほとんど歪みが気にならず、しかも音の強弱(音源の遠近)も損なわれず、不自然さは全く感じられませんでした。これならば常時ONでも問題ないのではないでしょうか。また、用いた音の種類にもよるのかも知れませんが、もともとかなりダイナミックレンジが広く、かなり大きな音でもリミッターのある無しに係わらず歪みにくいと感じました。

梵鐘の音を録ってみようと思いついて、東広島市の竹林寺(篁山)に出かけました。鐘から10mほどの距離から録音しています。ここをクリック(もちろん96kHz24ビットで、25MBほどあります。余韻を長く、鳥の鳴き声も入れています)
内蔵マイクは200〜300Hz以下のレベルが低目になっていますが、それでも付属の風防では十分に風の音を防ぎきれず、風吹きにはあまり強くないと感じました。200Hz以下の音を切るハイパスフィルターを使えばよいのかもしれませんが、フィルターを使わない場合は、より効果的なウィンドジャマーが必要でしょう。

テープを入れ替えたり巻き戻す必要がないなど、DATと比較して使い勝手も良く、扱いも簡単で、時代の差を感じさせます。音声ファイルをパソコンに取り込むのも、USBコードで繋ぐだけでデスクトップ上にハードディスクとしてマウントしてくれるので、ドラッグ&ドロップするだけ。音声は96kHz24ビットでもQuickTimeプレーヤーでそのまま再生できます。(以上MacOSX 10.4.4の場合)個人的にはUSBではなくFireWireだったらもっと良かったと思います。確かに高価で、この点で評価は分かれるかもしれませんが、性能は申し分ないと思います。特にウォークマンタイプのDATの代わりにピッタリです。一度使うとなかなかDATに戻れそうにもありません。
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(ハイパスフィルターに関する追加報告)
内蔵の200Hzハイパスフィルターをon/offして録音を比べてみました。まずoffにしてマイクを団扇であおいでみたところ、低い風の音が盛大に録音されました。しかしフィルターをonにすると、パタパタという音だけでウーファーを揺らすような低音は消えました。次に、フィルターの音質への影響をみるために、いくつかのカウベルを鳴らしてフィルターのon/offの音の差を調べてみたのですが、私の耳では音の差は分かりませんでした。そこでパソコンに取り込んで周波数分析(FFT)してみたところ、このフィルターは150Hzを底にする、100Hzから200Hzまでの幅100Hzの急峻な谷を作り、100Hz以下と200Hz以上の音のレベルには影響がないことが分かりました。上に「フィルターを使わない場合は、より効果的なウィンドジャマーが必要」と書きましたが、音質に全く影響がないとは言えないのでしょうが、厚いウィンドジャマーを使用することによる影響を考えれば、この200Hzハイパスフィルターは積極的に利用する方がよいと思います。

*何か御質問があれば、コメントをお付け下さい。検証可能な範囲でお答えします。
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(リミッターについて追加報告:2007.1.5)
限度ギリギリの大きさのパルス的な音が連続する音源を録音すると、背景の音がそのパルスに追随し息づくように大きさが変化して、とても気持ち悪くなることがわかりました。このような音を録音するときには、リミッターはoffにした方がよいでしょう。
(例)チッチゼミの鳴き声 (24ビット96kHzモノラル/.wavフォーマット)

PCM-D1レビュー(II) はこちら

*(NEW) PCM-D50とPCM-D1の比較はこちら

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(リミッターについてさらに追加報告:2007.11.20)
上に書いた「息づき現象」ですが、どうもノートパソコンにファイルをコピーして再生したときには、リミッターをOFFにしても「息づく」ことがわかりました。ちゃんとしオーディオセットにPCM-D1を直接接続して(ライン入力)聴くと息づきません。つまり、リミーターは「無罪」の可能性もありますので、念のため。オーディオセットでリミッターON録音を再生して息づかないかどうかまだ調べていません。

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January 28, 2006

私の好きな曲/思い出の曲−6

昨年4月以来途絶えていましたが、久々のシリーズ再開になります。と言いながら次がいつになるのか、私にもわかりません。
さて、第六回目は

    G.マーラーの第6交響曲イ短調

です。これを書こうと思った直接のきっかけは、今週水曜日(25日)に代休をとり、広島交響楽団のプローベを聞きに行き、マーラー・ファンにとってやはりこの曲は特別な曲であると再認識したからです。失敗作がないマーラーの作品の中において、あの5番や7番と並んでいるにもかかわらず、抜きんでた作品だと思います。

私が初めてこの曲に触れたのは、高校1年か2年の頃(70年代初頭)。ちょうどバーンスタインの後を追うようにして、ショルティ、クーベリーク、ハイティンクの三人が全集を録音中の時期で、FM東京(現東京FM)の平日の深夜番組でショルティの新譜が全曲放送されるというので、モノラルのカセットテープレコーダーをラジオにつないでエアチェックしたのです。勿論まだラジカセなど姿も形もなく、ラジオもモノラル。私のカセットテープレコーダーには、テープ端で自動的に停止する装置すらついていませんでした。オートリバースなどあるわけも無いので、全曲80分を録音するためには結局最後まで起きていなければならなかったわけです。曲の途中でテープの入替えをした後は電灯を消し仮眠しながら終わりを待ったものです。午前2時半か3時頃でしょうか、暗闇の中に最後の印象的な終止が聞こえてきました。

その後お小遣いを貯めて、神田神保町にあったミューズ社というレコード屋にバーンスタイン盤(勿論ニューヨークフィルとの旧盤)を買いに行きました。店には在庫がなく取り寄せになり、数日後放課後に引き取りにいきました。午後の物理実験の授業中に友人から「そのことで頭が一杯でしょ!?」とからかわれたものです。高校2年のときです。

初めて実演を聞いたのは、大学に入ってからだと思います。朝日奈/大阪フィルだったでしょうか。そして印象に残っている演奏はカラヤン/ベルリンフィルの普門館での演奏。ホールの大きさにもビックリしましたが、カウベルを楽器ではなく、スピーカーから流したのにも驚いたものです。

最近国際マーラー協会の「見解」として中間の2つの楽章の順序は、アンダンテ、スケルツォの順とする旨発表されました。これはマーラー自身が生前迷いに迷って、何回か入れ替えたことに由来するのですが、通常聞く機会が多い、スケルツォ、アンダンテの順に慣れているためか、アンダンテ、スケルツォの順で録音された最近の録音の楽章順について批判的なことを言う人が多いように感じます。作曲者自身が迷ったことを、一介のリスナーが一刀両断に言うことは珍妙と言わざるをえません。好きずきを言うのは一向に構いませんが、ほどほどに。アンダンテ、スケルツォの順に慣れてしまえば、スケルツォ、アンダンテの順に違和感が出る人も出現することでしょう。国際マーラー協会の「見解」はマーラーの最終決定を指摘したものであって、従来の楽章順を禁じるものではありません。

お薦めCDはC.アバド/ベルリンフィル。アンダンテ、スケルツォの順の演奏。DGG(ユニバーサル・クラシックス)からリリース。

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January 26, 2006

Jan. 26, 2006

昨年末に京都に出張した折、京都駅で立ち寄った書店で「女教皇ヨハンナ」という本を見つけて手にとり、非常に興味を引かれました。9世紀の極端な女性蔑視のヨーロッパで、秀でた才能を持った女性が男装して「男」として生き、試練を越えてローマに出て時の教皇の侍医になり、さらに自身教皇になるという話で、ヨハンナという人は現在のローマ法王庁は認めていないものの、伝承が残っていて、実在の可能性もある女性だということです。

この本はその伝承などをもとにして作者が小説として書いたものですが、一人の男性ゲロルトとの「女」としての恋、それも少女時代から死ぬまでの時期を通したロマンスをからめていて、非常に魅力的な話になっています。この本を読んでいて気づいたのは、現在NHK総合テレビでも放映中の「宮廷女官チャングムの誓い」の主人公で、やはり実在の女性である長今(チャングム)との類似です。この人も苦難を乗り越えて王の侍医になるわけで、一人の男性ミン・ジョンホとの変わらぬ愛が描かれている点でも共通しています。

しかし、「チャングム」はしばしば「一人の宮廷女官のサクセスストーリー」と言われますが、実はそのように表面的で単純な話ではなく、2つのキーワード「師弟」と「母子」が軸の物語です。「師弟」については物語を御存知な方はすぐにお分かりだと思いますが、「母子」については、全五十数回の話が、先代の王の母子関係から話が始まり、帝王切開で終わることでも象徴されていますし、各所にさまざまな母子関係が描かれていることでわかります。すなわち、「チャングム」はかなりいろいろな糸が縦横に編み込まれた話なのです。対して、「ヨハンナ」はそれほど多くのキーワードは無いように感じました。ストーリーには共通点も多く、もしかすると「チャングム」台本作成の折に「ヨハンナ」が参考にされたのでは?とさえ思いました。

「ヨハンナ」も映画化されるとのことで、どのように描かれるか楽しみです。ほんとうはせいぜい数時間の映画ではなく、テレビドラマとして描いた方が面白くなるかもしれません。余談ですが、フルダの修道院長としてフラバヌス・マウルスが出てきますが、懐かしく思いました。この人は確か、「来たれ、創造主たる聖霊よ」を作詞した人です。マーラーの第8交響曲第一部の歌詞ですね。この本の中では悪役です。読書スピードの遅い私が珍しく10日ほどで一気に読んだ上下2分冊です。

「女教皇ヨハンナ」上・下 (ドナ・ウールフォーク・クロス著/阪田由美子訳)各税込 1,995 円、草思社

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January 13, 2006

Jan. 13, 2006

以前、(書道の)「書」の表現の限界について書いたことがありましたが、そうは言っても書の作品を見ることは大好きです。絵画よりも好きだと言ってもいいでしょう。11日から東京・上野の国立博物館で始まった「書の至宝」展は注目です。王羲之などの古典的作品が出品されているので、是非とも見たいのですが、東京に行く暇もお金もない・・・。首都圏に在住の方は騙されたと思って足を運ばれることをおすすめします。2月19日まで。月曜休み。

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January 11, 2006

Jan. 11, 2006

「ファンタジック」という語が和製英語であることは有名(ファンタジーfantasyの形容詞はファンタスティックfantastic)ですが、「ファンタジック」という日本語が独り歩きして、本来の英単語fantasticとの間に微妙な意味のズレ、ニュアンスの違いを生じているような気がします。では日本語の「ファンタジック」にピッタリな英単語は何でしょうか?それともこれは私の気のせいで、日本語の「ファンタジック」にピッタリな単語はやはりfantasticなのでしょうか。

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January 01, 2006

謹賀新年

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

*今日訪れた竹原(広島県)の町並み保存地区の写真です
takehara

takehara2

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