SONY PCM-D1を使って半年。セミの季節も終わりに近づいて、目的である鳴き声の録音もほぼ終わりになりました。そこで、一部以前に書いたことと重複するかもしれませんが、この時点での感想を書いてみることにします。なお、私は24ビット96kHzによる録音しかしていないことをお断りしておきます。
・PCM-D1レビュー(I)はこちら
・(NEW) PCM-D50とPCM-D1の比較はこちら
(1) ダイナミックレンジ、音質
デジタルレベルメータと数字で表示される音声レベルを信じて、プラス(レベルオーバー)にならないように入力レベルを決めれば、ダイナミックレンジの広い録音ができます。当たり前と思われるでしょうが、セミの録音の場合セミの種類によっては、DATではメータで表示されるピークをかなり低めに設定して録音しないと、歪みが出たのですが(ミンミンゼミは難物だった)、PCM-D1では今のところすべてのセミで、たとえば-05dB~-01dB といった、ぎりぎりのところをピークに設定して録音しても問題ありません。心配ならば、さらにリミッターをONにしておけば万一入力オーバーしても問題はありません。
このことは、セミに接近して目一杯の入力レベルで録音してもよいということになるので、環境のノイズを排除することもできて、非常に有利です。つまり接近すれば音源の音は大きくなり、入力レベルを絞ることになるわけです。そうすれば目的の音は大きく、遠方の環境ノイズは小さくできるということです。
DATで録音したセミの鳴き声の録音をしばらく聞くと、聞き終えた後に耳の奥に残像のような不快さが残ることが多いのですが、PCM-D1の場合はそれが非常に少ないことも特筆されます。デジタル録音機はサンプリング周波数の半分を上限としているわけですが、これは上限までハイファイに(原音に忠実に)録音できることを保証しているわけではありません。ですから、DATの場合24kHzまでとはいっても高域には歪みが乗っているのでしょう。PCM-D1でサンプリング周波数を96kHzとすることで、歪み成分をほとんど可聴域外に追い出すことができるということではないかと想像しています。要するにサンプリング周波数96kHz、24ビットはDATとは比較にならないほど生々しく良い音です。
(2) 機動性、マイク
言うまでもなくマイク一体型なので、荷物が少なくてすみます。私のように、カメラ複数台、三脚、ストロボ、採集の道具などと一緒に持って行くときには助かります。巷ではマイクの音質が「固い」などという意見もあるようですし、外付けマイクを使うとさらに高音質で録音できるだろうとは思いますが、総合的に考えて私は内蔵のマイクを使うつもりです。感度が非常に高いのも良い点です。
DATを使っていたときはSONY ECM-MS957というワンポイントステレオマイクを使いましたが、これをPCM-D1につないで録音するつもりはありません。内蔵マイクを使えば、マイクケーブルが物に当たって音が入る心配もありません。内蔵マイクはやや低域が薄い感じがありますが、自然音を録音するときには、さまざまな雑音に対してかえって有利です。音楽録音では不満に感じる方もいらっしゃるでしょう。ECM-MS957とは一長一短で、感度が高い分内蔵マイクが勝っているかもしれません。個人的には、完璧ではないけれども、十分に質の高いマイクだと思います。
カメラ用の三脚が使えるので、カメラと兼用で使えるのも良い点です。音源が遠かったり、音が小さい場合は入力レベルを高く設定しますから、手持ち(付属の三脚に付けて持つ)だと手の摩擦音がかすかに入るのですが、音源に近づいて録音したり、音量が大きいときには入力レベルを下げますから、全く聞こえなくなります。状況によって付属の三脚を使い、手持ちで録音することも十分できるということです。とはいっても手が疲れるので、カメラ用三脚に付けて使うことが多いです。
電源をONにすると、毎回すべてのメモリのチェックが始まります。内蔵メモリ以外に、メモリースティックの外部メモリを入れておくと、それだけ起動に時間がかかります。しかしDATの場合、録音しようとするとマイクを接続しマイク、DAT本体の電源を入れ・・・となるわけで、それよりはやはり機動性は高いと思います。
(3) 電池の持ち
お世辞にもよいとは言えません。必ず数組の予備電池を持って行く必要があります。ただしニッケル水素電池によっては自己放電が非常に多く、いくら規格の容量が大きい電池でも、充電してホンの数日後にPCM-D1で使えないことがありますので、要注意です。何組も予備を持っていったのに、いざ使おうと思ったら全滅なんていうこともありえます。
(4) 風防、マイク・ジャマー
付属の風防は風に対しては全く頼りのないものです。アウトドアでは役に立たないと考えてよいと思います。私は毛足の長い布地を買ってきてヨメサンにジャマーをつくってもらいました。これは優れものでした。いろいろ工夫されるとよいと思います。
(5) その他
今後の製品に対しての要望ということになるかしれませんが、リモコンがあれば便利だと思いました。三脚にセットし録音設定して離れていたいときに遠方からリモコンで一時停止、開始などができれば便利です。
なお、付属の音声編集ソフトについては全く分かりません。私はMacユーザーなので、このソフトは開封もせずほったらかし。ゴミ同然です。
・私の録音例から(すべて24ビット96kHzステレオ/wavフォーマット)
これらの録音の著作権は私にあります。無断転載、転用は固くお断りします
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以下 Dec. 19, 2006 追加
自作のマイク・ジャマーを紹介します。
これが元の布。近くの生地屋で購入しました。右の三角の部分は折り返して裏地が見えるようにしています。
右が完成品。本体に装着したのが下です。本体附属のウレタンの風防の上に装着しています。なお、装着口にはゴムヒモを通して密着するようにしています。
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