文化遺産・自然遺産/Jan. 29, 2007
先週文化庁が、ユネスコの世界文化遺産登録に推薦するための暫定リストに、富士山、富岡製糸場と絹産業遺産群、飛鳥・藤原の宮都、長崎の教会群・キリスト教関連遺産を追加すると発表したそうです。それぞれ日本史、地理で出てくる有名な場所であることは確かで、我々日本人にとって重要であることは認めるにしても、富士山は別としても、果たして世界の中でどれだけの人がこれらを知っているのか、知っておかねばならない場所なのか甚だ疑問に感じます。我々がほとんど知らない‘文化遺産’が各国から次々に立候補してくるのかもしれません。
一方、鹿児島県と奄美群島の市町村が、こちらは世界自然遺産登録を視野に、奄美群島を国立公園に指定するよう国に要望していくことを決めたそうです。たしかにここは自然が豊かに残されていて、世界的にみても貴重な地域であることは認めるのですが、一部には「国立公園になって開発に規制がかかると困る」という声も出ているという声があることも事実のようです。私は、こんなことを言うと怒られそうですが、国立公園化/世界自然遺産登録推進と言っていても、本気で開発を大幅に制限し、自然保護をしよう等と考えているのだろうかと勘ぐっています。つまり世界自然遺産に登録されることを「売り」に観光収入を増やすことを考えてはいないか、ということです。
国立公園にして、昆虫採集などを禁止し、ホテルをつくり飛行場を整備して観光客を呼び、エコツアーを企画する・・・と考えてしまうのは私だけでしょうか。こんなことを言うのも、広島県内に、スキー場を造って山肌(貴重なブナ林)をそれこそヒゲ剃りしたかのように広範囲に「剃りあげて」しまいながら、同じ山で「昆虫採集禁止」「貴重な自然を保護」などといっている山があることを知っているからです。

Comments
コメントありがとうございました。
地域振興・開発と自然保護。非常に難しい永遠のテーマかもしれません。しかし、保護のようなふりをすることだけはやめて欲しいと思うのです。
Posted by: Zikade(家主) | January 31, 2007 at 11:21 AM
私は逆に富士山を登録するのは如何なものかと思います。明治の昔、既に漱石が富士山を自慢する日本人を批判しています。天然自然にあったものを自慢しても、自分たちの手柄にはならない、と。太宰の「富岳百景」も、時節柄正面切って表現できない批判を富士山に託したものだと思われます。今の時代を考えると、怖いな、という気持ちがあります。
屋久島は昨年秋に訪れました。クロイワツクツクとツクツクボウシの棲み分けを確認すると共に、ツクツクボウシの「方言」を興味深く聴きました。屋久杉コースは銀座並みの賑わい。価値あるものは多くの人に知って貰いたい、その気持ちは、現地にも、また、多くの一般人にもあることでしょう。しかし、そのことと矛盾する厳然たる事実として、コースに「歩道」を設けざるを得なかった事実、そして、やはりゴミ問題。
環境か観光か、これは、観光客を誘致せざるを得ない場所では普遍的なジレンマでしょう。小笠原、行ってみたいと思います。しかし、私も勤め人。かつての「おそ松くん」に出てきたイヤミ氏ではありませんが、カネはあってもヒマはなく、ということで、なかなか船旅はできません。日本もアメリカ流「新自由主義」に毒されつつあるためか、ヨリその傾向が強まってきているようにも思われます。飛行機は速い。空港ができれば多くの「カミカゼ旅行」を望まざるを得ない観光客を誘致することはできるでしょう。しかし、それが環境悪化、ひいては観光客の足を遠ざけさせる、そんな矛盾、ジレンマがあります。
小笠原のグリーンアノール、何とかならないのでしょうか? 野生化したヤギも。
Posted by: Paczki | January 30, 2007 at 11:25 PM