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November 2007

November 22, 2007

ベーゼンドルファー

今朝の日本経済新聞を見ていたら、オーストリーの名門ピアノメーカー、ベーゼンドルファーが経営不振で、何とヤマハが買収の提案をしているとか。驚きました。実現するかどうか分かりませんが、こんな時代が来るとは思いもよりませんでした。ヤマハの評価が高くなってきていることは承知していますが、現地の人の思いは複雑でしょう。私も複雑です。

私の記憶が正しければ、学生時代のマーラーはピアノが買えず、ベーゼンドルファーに手紙を書いて、「ピアノを貸して下さい」と言ったのですね。そんな書簡が残っていたはずです。

ヤマハは買収してもベーゼンドルファーの名前は残すと言っているようです。残さなかったら、私も怒ります。

*私の15年来の音楽関係の知人が40代の若さでくも膜下出血で急逝されたとの報を受けました。最近は全くお付き合いもなかったのではありますが、心から哀悼の意を表します。

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November 19, 2007

この冬の入居者

今朝の最低気温は-0.8度。この冬初めての氷点下でした(昨年よりも11日遅れ)。家のまわりの虫達もめっきり少なくなりました。二日ほど前にマツムシが一匹まだ明るいうちからチンチロリン!と鳴いていましたが、今日の寒さを乗り越えられたでしょうか。

3年ほど前に、わが家のベランダで越冬させてみようと思って外でツチイナゴを採集してきて放してみたのですが、数匹がそのままわが家で越冬してくれて、毎日彼(彼女)らが日向ぼっこしている癒し系の姿を楽しみました。ところが昨年からは入居希望者が訪問してくれるようになりました。

今年はまず先月末にわが家の玄関先に一匹たたずんでいたので、そのままベランダに連れていって放してみました。翌日からさっそく生活を楽しんでいる様子で、鉢植えにしているミカンの葉をポリポリかじってみたり、日向ぼっこしたり・・・。ベランダにはスズメも来るので、無事元気にしているか連日窓越しに眺めていたのですが、昨日もう一匹いることに気づきました。外から自分で飛来したようです。下はそんな二匹の写真です(両方メスだと思います)。

親が「子供たちへ:越冬するときにはこの住所の家に行きなさい。翌春まで大事に守ってもらえるから」という書き置きでも残しているかのような・・・。三月〜四月になると巣立っていくのですが、残念ながら挨拶はしていきません。

Tsuchi1 Tsuchi2

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November 17, 2007

ショスタコビッチ賛

昨日ショスタコビッチの第9交響曲、第14交響曲を聴いてきました(井上道義指揮広島交響楽団定期公演)。最近いろいろバタバタしているので、聴きに行く決心をしたのが数日前だったのですが、第9交響曲はともかく14番は東京でも滅多に聴けませんし、まして広島では次はいつになるのか見当もつきませんので、行くことにしました。

やはり行ってよかったと思いました。元々好きな作曲家/曲ですが、14番の実演に接したのは今回が初めて。弦と打楽器の小編成オーケストラとソプラノ、バスの独唱によって歌われる「死」をテーマにした歌曲交響曲ですが、よく歌詞を眺めてみると、諧謔的なものあり、アイロニーに満ちたものありで、これは「少年の不思議な角笛」にも通じるものだと感じました。ショスタコビッチ流の「角笛」というところかもしれません。この深い音楽は間違いなくマーラー以降最高の交響曲だと感じました(とは言っても、そもそもマーラー以降作曲された交響曲はそう多くないのだろう)。

作曲は1969年ということで、日本がアポロの月着陸や(翌年開催される)万博にわいていた頃です。この次の15番の交響曲については初演直後に日本でもロジェストヴェンスキー指揮で演奏されたことからよく覚えているのですが、残念ながらこの曲が作曲/初演されたというニュースを私は全く覚えていません。いずれにせよ、同時代に生きていた作曲家がこのような曲を作曲していたことは、まるでベートーヴェンの第9初演当時に居合わせたかのような不思議な誇らしさを感じます。

ソ連の作曲家ということで、20世紀の後半になっても時代遅れの交響曲という古くさいスタイルの曲を作っていると揶揄されたこともあると思いますが、このような曲を聴くと、So what?と言いたくなります。いわゆる現代音楽がすべていけないとは言いませんが、ショスタコビッチを聴くと、結局最後に残るのは彼の曲なのではないかと思わずにいられません。

この曲は小編成ということもあり、個人の力量が大切になるように思いますが(特に打楽器)、広響の精鋭部隊は大健闘だったと思います。明日18日に東京・日比谷公会堂で再演しCD化されるようです。

第9交響曲についてほとんど触れませんでしたが、この小気味よい音楽がよく表現されていたと思います。第2楽章冒頭の美しいクラリネットが印象に残りました。

ショスタコビッチにハマりそうです。

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November 14, 2007

あれこれ(オムニバス)

いろいろ雑用に追われていて、落ち着いて題材を考える余裕が無かったので御無沙汰してしまいました。そこで、スケッチかメモのようにいくつか書き留めてみます。マニアックな話題もあります。

◎もう2ヶ月ほど前になるかも知れませんが、国際マーラー協会から来た知らせによると、間もなく第2交響曲と第7交響曲の協会版の新版スコアが刊行されるようです(田舎にいるので分からないのですが、もう出ているのかも)。レコード芸術(だったか)にも出ていましたが、この新版による第7交響曲は今年3月にM.ヤンソンスがミュンヘンで初演しているようです。どのように変わっているのか興味津々です。

そう言えばかつて第1交響曲の新版が出たときに、第3楽章冒頭の有名な「フレールジャック」が実はコントラバス1台ではなく、パート全体のユニゾンだった、ということで大騒ぎ(?)になりましたが、未だにパート全体で弾かせる指揮者はほとんどいないようです。そもそも作曲者の意図が本当にパート全体だったのか、どうも信じられません。

◎MacOS X 10.5 Leopardは導入後3週間近く経ちましたが、すこぶる順調です。前の10.4 Tiger と比較しても重くなく、さりげないアップです。つまり普通にウェブを見、メールを読み書きする程度ではTigerとあまり変わらないのです。ところが細かい所(どうでもよい部分と言う意味ではない)で使い勝手が大きく向上しているのです。今私が気にっているのは、Quick Lookという機能です。画像でもワープロ文書でも、pdfでも音声でも、そのファイルを選択してスペースバーをポンと叩くと、それらの書類を作成したソフトを起動させなくても中味が見えますし、音も鳴るのです。

さらに複数の画像ファイルを選んでスペースバーをポンと叩くと、スライドショーもできる・・・ということで、デジカメユーザーにはたまりません。お薦めです。

◎先週キャンパスのアメリカフウの木の紅葉が見頃になり(写真左)、写真を撮っていたところ、偶然15ミリほどの小さなムシを見つけました。セミやウンカやヨコバイに近いミミズク(写真右)です。以前から見たかったのですが、ようやく出会えました。興奮しすぎたので、連れて帰ることを忘れてしまったのは大失敗でした。今度いつ出会えるのか分かりません。こんなところを探せばよく見つかる、というコツを御存知の方は御教示下さい。目(複眼)がどこかお分かりでしょうか?見かけによらず愛嬌のある可愛い虫です。

Fuu Mimizuku

◎以前ここに書いたNHKの連続テレビ小説「ちりとてちん」のタイトルバックに出てくるセミの紋ですが、ドラマに出てくる落語家、徒然亭一門の紋のようです。徒然草の冒頭、「徒然なるままにひぐらし硯にむかひて」から来ているそうな。

このドラマ、登場人物の名前やキャラクターが有名な噺に出てくる人物のパロディが満載のようで、その道に明るい人はハハ〜ンと思うのでしょう。蝉の紋にしても凝っています。

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November 03, 2007

The Cicadas of Thailand

Machel Boulard著「The Cicadas of Thailand Vol.1」(White Lotus出版 ISBN: 978-974-480-080-0)を入手しました。タイ国のセミの本ですが、著者はフランスのセミ学者。本文は英語。出版社は訳せば白蓮出版。いかにも仏教国らしい名前です。

この本は図鑑ではないのですが、カラー写真も豊富(48 枚)。第1章Cicadas: Definition and Characteristicsはセミ一般(体の構造、セミの一生など生態)の解説。電子顕微鏡の画像まで使っています。第2章Thailand 's Amazing Cicadas。生態などに特徴のあるタイのセミを何種か取り上げて紹介しています。たとえば、Meimuna duffelsiというセミは驚くべきことに、(まるでアカエリトリバネアゲハの集団吸水のように)群を成して川べりの砂地におりてきて地面の砂に口吻を突き立てて吸水するというのです(証拠写真付き)。ちなみにMeimuna属とはツクツクボウシ属のこと。同じ属とはいえ、日本のツクツクボウシ属とは写真を見ても大きな違いがあるようです。

また多くのセミの鳴き声の音声分析の図がついています。CDが一枚付属していて、40種のセミの鳴き声が収められていますが、これはなかなか楽しいです。中にタイワンヒグラシ(勿論タイ国産)Pomponia linearisの鳴き声も入っていますから日本産や台湾産(私のページ参照)と比較すると面白いです。ただしCDの音量レベルが非常に低く、ボリュームを一杯にしないと聞こえません。そのまま忘れて他のCDを聞くと突然大音量になりますから要注意です。

実はまだじっくり読んでいません。読むためには英語の勉強ならぬ老眼鏡を用意する必要があると自覚したところです。美しいセミの写真や音声を聴いているとうずうずして今すぐにでもタイ国に飛んで行きたくなるのが欠点の本です。全2巻の1巻目ということで、第2巻が楽しみです。

入手は直接出版社から取り寄せることも可能かも知れませんが、昆虫文献の六本脚から購入できます(私はここから買いました。3,990円(税込・送料別))。

Thai

*画像は私が撮影したもので、出版社の許可をとって掲載しています(転載禁止)

*この本を教えて下さった日本セミの会会員、Hさんに感謝します。

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November 01, 2007

トランペット!

京都大学数理解析研究所に出張で来ているのですが、入り口に総合博物館で行われている「秋季企画展『生態学が語る不思議な世界 生物の多様性ってなんだろう?』」のポスターを発見したので、仕事の合間に見学に行ってきました。残念ながら肝心の企画展は大したことはなかったのですが(セミの標本もなし)、初めて入ったこの博物館はどこぞの田舎大学@中国地方のものとは大違いで流石、と言わざるをえませんでした(ただし入場料400円)。

Kyoudai


常設になっている展示にはボルネオ島ランビルの森(故井上民二氏がいらっしゃったところ)が再現されていて、熱帯雨林の樹冠観察用の吊り橋とそこからの一日の風景のビデオ(巨大スクリーン)、現地で録音された音が流されていました。ニイニイゼミのような持続性の鳴き声が聞こえ、これは明らかにセミだろうと思いながら館内を歩いていたのですが、突然パーッ!パパパパパパーというけたたましいトランペットの音が鳴り響きました。これこそMegapomponia imperatoria(和名:テイオウゼミ)の鳴き声です。鳴き声は今までもテレビ番組やネットなどで聞いたことがあるのですが、このようにリアルに聞いたのは初めてで、思わず音源のスピーカのもとに駆けつけてしまいました。

ちなみにテイオウゼミの属名は最近変更になり、Megapomponiaとなりました。タイワンヒグラシの属名はPomponiaのままです。テイオウゼミのグループが分かれてMegapomponia(テイオウゼミ属というのか)になったわけです。

数理解析研へ入る道にはカリンの並木があって、たくさん実がなっていました。

Karin

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