ショスタコビッチ賛
昨日ショスタコビッチの第9交響曲、第14交響曲を聴いてきました(井上道義指揮広島交響楽団定期公演)。最近いろいろバタバタしているので、聴きに行く決心をしたのが数日前だったのですが、第9交響曲はともかく14番は東京でも滅多に聴けませんし、まして広島では次はいつになるのか見当もつきませんので、行くことにしました。
やはり行ってよかったと思いました。元々好きな作曲家/曲ですが、14番の実演に接したのは今回が初めて。弦と打楽器の小編成オーケストラとソプラノ、バスの独唱によって歌われる「死」をテーマにした歌曲交響曲ですが、よく歌詞を眺めてみると、諧謔的なものあり、アイロニーに満ちたものありで、これは「少年の不思議な角笛」にも通じるものだと感じました。ショスタコビッチ流の「角笛」というところかもしれません。この深い音楽は間違いなくマーラー以降最高の交響曲だと感じました(とは言っても、そもそもマーラー以降作曲された交響曲はそう多くないのだろう)。
作曲は1969年ということで、日本がアポロの月着陸や(翌年開催される)万博にわいていた頃です。この次の15番の交響曲については初演直後に日本でもロジェストヴェンスキー指揮で演奏されたことからよく覚えているのですが、残念ながらこの曲が作曲/初演されたというニュースを私は全く覚えていません。いずれにせよ、同時代に生きていた作曲家がこのような曲を作曲していたことは、まるでベートーヴェンの第9初演当時に居合わせたかのような不思議な誇らしさを感じます。
ソ連の作曲家ということで、20世紀の後半になっても時代遅れの交響曲という古くさいスタイルの曲を作っていると揶揄されたこともあると思いますが、このような曲を聴くと、So what?と言いたくなります。いわゆる現代音楽がすべていけないとは言いませんが、ショスタコビッチを聴くと、結局最後に残るのは彼の曲なのではないかと思わずにいられません。
この曲は小編成ということもあり、個人の力量が大切になるように思いますが(特に打楽器)、広響の精鋭部隊は大健闘だったと思います。明日18日に東京・日比谷公会堂で再演しCD化されるようです。
第9交響曲についてほとんど触れませんでしたが、この小気味よい音楽がよく表現されていたと思います。第2楽章冒頭の美しいクラリネットが印象に残りました。
ショスタコビッチにハマりそうです。

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