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February 2008

February 25, 2008

メタボリック

ほんの2、3年前まではあまり聞かない言葉でしたが、最近はすっかり定着した「メタボ」。実は数年前にmetabolism という単語が表題に入った論文を書いたことがあって、私はその準備中、恐らく2002年か2003年頃に認識した単語だったと思います。ただどうも最近は「太っている」という意味だと勘違いしている人も多いのではないでしょうか。「代謝の」という意味で、本来生物学や医学の分野の専門用語でしょう。

ちなみに、「メタボリック・シンドローム」の判定基準というものがあって、おへそ周りが85cm以上(男)90cm以上(女)、さらに血圧や中性脂肪、HDLコレステロール、空腹時血糖値などの基準のうち二項目以上に該当すると「メタボ」だそうです。ただし、これらの条件のうち、基本条件になっているのは内臓脂肪のようで、内臓脂肪がたまっていないひとは正確には「メタボ」ではないようです。

先月、腹部のエコー検査というのを受けたのですが、その時に担当の医師から、内臓脂肪が非常に少ないと言われました。腹部の周りはかなりプックリしているのですが、ほとんど皮下脂肪だそうで、医師いわく、「女性のよう」。これは喜ぶべきなのでしょうが、やや複雑です。

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February 22, 2008

受験

入学試験はその結果がどのようなものであっても、試験勉強は勿論のこと、試験当日経験する緊張感だけでも嫌なものです。未だに年に数回は見る受験の夢。話の筋は定まっていませんが、終了時間が迫っているのにちっとも解けないというシチュエーションだけは変わりません。死の直前「時間よとまれ、おまえは美しい」と言ったのはファウストでしたが、はるか過去に過ぎていったことは、たとえそれがどれほど嫌なことであってもどこか懐かしく感じられるようになるものなのでしょうか。

私が受験で思い出す話。高校受験は付属中学からの内部進学ではありましたが、中学は4校で高校は1つ。1次試験は免除でしたが、2次試験は外部受験者と一緒に受け、合格ラインは違ったのかもしれませんが、それなりの選別を受けるものでした。合格発表は各中学で午後からということになっていて、午前中は家で過していたのですが、登校する準備を始める頃に突然の来客。近所の制服専門のテーラーでした。なんと制服の注文を受けに来た、と言うのです。発表は午後で、私はまだ結果を知らないのだから、当然注文をするわけにはいかない、というと、高校に行って発表の掲示を見てきたので間違いないと。

後から考えると、高校では内部・外部受験者を合わせて全員の合格者の発表を午前中に行い(洋服屋はこれを見てきたわけだ)、付属中学ではそこから抜粋した分を午後に発表したのだろうと思うのですが、結局私は「発表」前に結果を知ってしまったのです。

実はこの前日に、祖父が昔合格発表の前に洋服屋が来るという経験をしたとの話をしていて、家族中でそんなバカなと言って笑っていたのですが、翌日自分に同じことが起こったことには驚いたものです。想像するに洋服屋が発表前に来たいきさつは違うのではないかと思いますが、ともあれ、その晩の祖父の得意げな顔。まだ個人情報保護もなにもないどこか呑気な時代の話です。

この入学試験で、当確ならぬ「合確」視されていたある「できる」女の子がまさかの不合格。その意外な結果はたちまち学年中の話題になったのですが、翌日からその子は一切登校せずに家にこもって猛勉。見事某国立大学付属高校に外部受験で合格したのでした。結果オーライではあっても、当の本人にとってはそれなりの試練であったはずのこの時の心中について、2年ほど前の同窓会で何十年ぶりかで会った彼女はどこか懐かしそうに話してくれました。

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February 12, 2008

伝統文化

韓国ソウル市の南大門が焼失しました。自然災害ではないので、いっそう残念に思えてなりません。韓国の国宝というだけではなく、東洋の、世界の宝が失われたことは悲しいことです。資金さえ調達できれば再建は可能かも知れませんが、それは南大門であり南大門ではないのです。

昨日、輪島塗の伝統の継承の危機についてテレビで知りました。漆を塗る際に極細の面相筆を使うそうですが、線を引くときにかすれずに引くことができるのはクマネズミの特殊な毛を使った筆が不可欠で、自然状態でネズミが生息する環境が失われたため、現在この筆を作ることができないそうです。合成繊維メーカーが代用品の開発にとりかかっているそうですが、適量の漆を穂先の上部に蓄え、しかも先端で極細の線を引くという要求を満たすものは最先端技術をもってしても再現できず、すでに十年以上の時間と、多額の開発費を使っているものの、未だに完成の見込みすらたたない状態だそうです。輪島塗にはさらに塗り物の表面を研磨するための特殊な炭、漆の中のゴミを濾過する和紙が必要で、それぞれ伝統工芸や職人芸に依存しているそうです。

つまり一つの伝統が他の伝統の上に成り立っているわけで、一つの技術の伝承が途絶えた途端に、その上に成立している技術も途絶えることになるわけです。昔と異り、これらの技術者に弟子入りする人は少なく、世襲させようにも子供たちは高い技術が必要であるにもかかわらず収入の面でも、そして将来的な面でも不安定な仕事を選ぼうとしないため、‘絶滅危惧’になっていることが多いとのことです。

伝統の継承ということで思い出すのは伊勢神宮ですが、古来続いている神宮式年遷宮にしても、御料木になる桧を伐採する方法ですら決まっていて、斧で伐ればよいというわけではないわけで、斧で木を伐るということすら少なくなった現在、伝統の継承はここでも次第に難しくなってきていることは間違いなさそうです。

考えてみれば、人類の歴史の上ですでに失われてきた技術は少なくないわけですが、やはり現在残っている技術はできる限り残って欲しいと考えるのは単なるノスタルジーなのでしょうか。私は最近、伝統文化どころか、人類そのものの種の継承が危ういのではないかと考えはじめています。

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