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February 22, 2008

受験

入学試験はその結果がどのようなものであっても、試験勉強は勿論のこと、試験当日経験する緊張感だけでも嫌なものです。未だに年に数回は見る受験の夢。話の筋は定まっていませんが、終了時間が迫っているのにちっとも解けないというシチュエーションだけは変わりません。死の直前「時間よとまれ、おまえは美しい」と言ったのはファウストでしたが、はるか過去に過ぎていったことは、たとえそれがどれほど嫌なことであってもどこか懐かしく感じられるようになるものなのでしょうか。

私が受験で思い出す話。高校受験は付属中学からの内部進学ではありましたが、中学は4校で高校は1つ。1次試験は免除でしたが、2次試験は外部受験者と一緒に受け、合格ラインは違ったのかもしれませんが、それなりの選別を受けるものでした。合格発表は各中学で午後からということになっていて、午前中は家で過していたのですが、登校する準備を始める頃に突然の来客。近所の制服専門のテーラーでした。なんと制服の注文を受けに来た、と言うのです。発表は午後で、私はまだ結果を知らないのだから、当然注文をするわけにはいかない、というと、高校に行って発表の掲示を見てきたので間違いないと。

後から考えると、高校では内部・外部受験者を合わせて全員の合格者の発表を午前中に行い(洋服屋はこれを見てきたわけだ)、付属中学ではそこから抜粋した分を午後に発表したのだろうと思うのですが、結局私は「発表」前に結果を知ってしまったのです。

実はこの前日に、祖父が昔合格発表の前に洋服屋が来るという経験をしたとの話をしていて、家族中でそんなバカなと言って笑っていたのですが、翌日自分に同じことが起こったことには驚いたものです。想像するに洋服屋が発表前に来たいきさつは違うのではないかと思いますが、ともあれ、その晩の祖父の得意げな顔。まだ個人情報保護もなにもないどこか呑気な時代の話です。

この入学試験で、当確ならぬ「合確」視されていたある「できる」女の子がまさかの不合格。その意外な結果はたちまち学年中の話題になったのですが、翌日からその子は一切登校せずに家にこもって猛勉。見事某国立大学付属高校に外部受験で合格したのでした。結果オーライではあっても、当の本人にとってはそれなりの試練であったはずのこの時の心中について、2年ほど前の同窓会で何十年ぶりかで会った彼女はどこか懐かしそうに話してくれました。

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