ヘッドホンの驚き
私はiPodなどの携帯オーディオを楽しむときに、あまりヘッドホンの音質にこだわることはしてきませんでした。かつてオーディオに凝ったことがあったのにもかかわらず、です。それは携帯オーディオ自体に期待していなかったこともありますし、いい音で聞くなら改めて別の環境で聞けばよい、今は純粋に‘音楽’を聴ければよい、という割り切りをしていたからでもあります。
ところで先日家内が電子ピアノ用にヘッドホンを買ったのですが、試しにそれを自分のiPodにつないで聞いてみました。そのヘッドホンはメーカー希望価格が4千円台という安いもので、いわゆるイヤホン型のものではなく、オーソドックスなオーバーヘッドバンドタイプのものでしたが、一聴して普段使っているイヤホン型のもの(これもiPod付属のものではなく、3〜4千円台のイヤホンタイプ・カナル型のもの)を遙かに超える音だと思いました。やはり大きさによる設計の自由度や余裕があるのでしょうか。低音が豊かで、(周波数に対して)フラットな感じで次元が違う様に感じたのです。
久しぶりにこのような違いを見せつけられて、私のオーディオ熱に火がつき、昨日出張の帰りに横浜の電気店でiPod用イヤホンタイプをいくつか試聴してみました。メーカーによる違いを聞き、次に気に入ったメーカーのものを安いものから上位機へと聞き比べたのですが、結局オーディオテクニカ製のものが最も自分の好みに合うことが分かりました。ほぼ買う機種を決め、念のためにと、もう一つ上位の機種を聞いたのは失敗でした。さらに次元の違う音がしたのです。私が決めかけていた機種は、聴感上基本的にほぼフラットな周波数特性で嫌みがない程度に低音と高音をやや持ち上げてアクセントにしている感じで、とても好ましい感じがしたのですが、最後に聞いた機種は全くのフラットな周波数特性で、最高域、最低域までかなり延び(低音はやや量感不足に感じるものの)、解像度も高いことが一聴して分かるほどだったのです。サービスポイントがたまっていたことをよいことに、予算をはるかにオーバーしたその機種を買ってしまったのでした。
羽田空港の搭乗口ゲートから少し離れたすいていた待合室に着いたのが出発時刻の1時間半前。時間がありすぎるので、早速買ったばかりのヘッドホンを使って音楽を聴き始めました。今まで聞いていた音は何だったのだろうかというようなリアルな音と音楽に感動しながら、iPhoneでメールを読んだり送ったりしていたのですが・・・。聞いていた音楽はマーラーの「復活」。音楽は終楽章に突入。気づいたらもうすぐ合唱が入るところ。待てよ。1時間半ちかくかかる曲のこんな部分を聴いているとは!?全く外部の音が聞こえないこのヘッドホン。音楽に集中できるのはよいのですが、今自分の置かれている状況を忘れるのです。ハッと我に返り気づいたときは出発時刻の7分前。しかもゲートは数百メートルの場所。ほとんどの乗客はすでに乗り込み、待合室は人もまばら。あやうく乗り遅れるところでした。
*購入した機種はオーディオテクニカATH-CK9です。
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