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April 27, 2015

時の流れ

高校時代にそれなりに哲学したこともあって、その一環で新約聖書を読みかじったこともあります(未読了)。その中で、イエスの弟子が大きな寺院の伽藍を見て驚いていると、イエスが、どんなに立派な建物もいずれ瓦礫になってしまうものだと言う場面が出てきて、日本で言う、無常という概念とも結びついて妙に心に残ったものです(この場面、今回あらためて調べてみたら、マルコ伝13に出てきます。また、マタイ伝24にも)。

ところで、私も今年区切りの歳を迎え、記念に自分へのご褒美に買ったウォークマンに、手持ちのCDから音楽ファイルを入れていたのですが、そのCDの中には、私が20代〜30代にかけて買い漁ったものが多数含まれているのです。CDが世の中にデビューし、SONYの初代プレーヤーCDP-101が発売されたのが1982年。その当時毎年秋に晴海で開かれたオーディオ・フェアに出かけ、各メーカーから発売されたCDプレーヤーを眺めたのを昨日のように思い出します。その後CD化されて毎月発売されるCDのリストが発表されるのを楽しみにして・・・。

そんな時に買ったCD、その後30代にかけて石丸電気や、タワーレコード、HMVなどで買ったディスク。逆にそれ以前に買っていたLP。それらの多くが未だに現役で手許にあります(LPは実家に)。すでに30年を超えているものもあるわけですが、これらのCDの寿命よりも私の残りの人生の方が短い可能性もかなり高いわけです(少なくとも数%〜20%ということはないだろう)。

そんなことを考えていると、イエスの言ったことは間違いではないけれど、人の一生はさらに短いということに改めて気づかされたわけです。象徴的に言うと、CDを買っていた時、十分に年老いた段階での自分の「遺品」に入っている可能性を考えたことがなかったわけです(当たり前だ!)。パンやお菓子並とは言いませんが、CDは所詮消耗品であると思っていて、10~20年以上先のことは眼中になかったのかも知れません。

ところで、寺院と言うと、日本には法隆寺があって、まだ「現役」です。創建当初とは意味合いが多少変わってはいるのでしょうが、未だに寺院のまま現役であるというのはすごいことです。エジプトのピラミッドは遺跡ですが、それでも残っています。もっと新しい例では、たとえば東京銀座の服部時計店(和光)の時計台。昭和7年竣工だそうですが、空襲をくぐり抜けて健在です。結局これらもいつかは無くなるのでしょうが、人の一生を超えて生き続けています。その他にも、おそらく私が子供の時(あるいは、生まれる前)にはすでに存在し、私が死んだ後も何十年と残る建物は数多くあるのでしょうね。

CDが初めて発売されて33年というのは私には驚きです。あの、アナログからデジタルへの期待と熱狂の日のことは良く覚えていますし、本当についこの間の話のよう。でも33歳以下の人にとっては生まれる前の「大昔」の話なんですね。大学の教員を始めた時、会議で一緒になった老教授達が昔話を始めて・・・。私の生まれる前から大学の先生だったのか、と驚いたわけですが、いつの間にか自分がその歳に近づいて。本当に時間の経つのは早いものです。どんどん加速度がつきます。今年87歳になる母が「40代、50代の頃と気持ち・意識が変わらない」と言っていますが、よく分かる気がします。 この30年、変わったことも多いですが、意外と変わっていない気もします。

現役の「若者」へ。今買ったCDや本は一生ものになると思っていた方がよい。

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Comments

できたばかりと思っていたビルが10年かそこらで取り壊されることもありますね。実家の近所を歩いてみても、子供の頃のままの建物もありますし、全く変わってしまった場所もあります。

Posted by: Zikade(家主) | April 28, 2015 at 02:50 PM

ぼくが小学校の低学年だった頃にバッタ採りをしていた空地に鉄筋7階建てのデパートが建ったのですが、数年前にそのデパートの経営がうまくいかなくなって取り壊されて更地になり、今ではそこにマンションが建っているかと思えば、そのデパートと同じ頃に建った木造の実家はまだ健在です。何が長く残るのか、全く予想がつきません。

Posted by: Ohrwurm | April 27, 2015 at 10:45 PM

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